息子は私の自慢でした。名の通った大学を卒業した後は一流企業と呼ばれる会社に就職が決まって親としては、一安心といったところだったのですが、入社後1年も経たずに会社を辞めてしまったのです。息子は父親が小学校低学年の時に亡くなっているので、その頃から大きくなったらお金持ちになってお母さんに楽させてあげるからねっていってくれるような親孝行の息子だったんです。大好きだった野球も高校はいいところに入りたいからと中学2年で引退してずっと勉強の日々。その甲斐あっていい高校、いい大学、一流企業に就職と本当にエリート街道まっしぐらだったのに。会社を辞めてからというもの、引きこもりっていうのかずっと自分の部屋にこもりっぱなし。あんなに明るく前向きな息子だったのに一体何があなたをそんなに変えてしまったの。引きこもりになってすでに1年以上が経過してしまい母親としてはもうどうしていいかわからない状態が続いていました。ある日、商店街に買い物に行くと親の八百屋を継いだ息子の同級生が、あいつ元気?って声をかけてきてくれたんです。家の近所は大型ショッピングセンターなんてないので商店街には活気があります。息子の同級生は中学まで同じでしかも同じ野球部って事もあって、思い切って今の息子の状況を話したんです。そしたら、今度商店街の草野球チームで試合があってちょうどピッチャー捜してたんだよね、あいつ昔はピッチャーだったし家に閉じこもってるから良くないんだよ。俺あいつ誘ってみるよって、言ってくれて。試合当日無理やり息子を連れ出してくれた友人。最初は嫌々だった息子も途中から笑顔が戻り、応援にいった私は思わず涙が溢れてきました。